先進安全自動車(ASV)に対応した整備ノウハウを提供する日本技能研修機構(JATTO、石下貴大代表理事)の整備ネットワークに、ワランティ(保証)などを手がけるプレミアグループの全国約2600社の協力工場が加わった。協力工場に事故修理などでエーミング(機能調整)作業の対象車両が入庫した時、必要に応じてJATTO加盟店に発注する仕組みを整える。また、JATTOの持つ電子制御装置整備のノウハウをプレミアが研修などを通じて提供する。JATTOは加盟店の入庫拡大につなげ、プレミアは整備の高度化に対応するネットワークの構築を目指す。
プレミアグループは昨年4月にJATTOに賛助会員として加盟した。整備の高度化対応を目指す中で、中立的なネットワークを構築しているJATTOへの加盟が最適と判断した。2019年から進める協力工場のネットワークの構築が一区切りついたことで、JATTOとの取り組みを本格化する。
具体的にはプレミアグループの協力工場に入庫したワランティサービスの車両にエーミング作業が必要となった時にJATTO加盟店に優先的に入庫する。JATTOは「現行機種に先進運転支援システムの不具合をインジケーターで警告する機能がない」こともあり、外部故障診断機(スキャンツール)による故障診断の必要性などを啓発する。
また、電子制御装置整備の認証取得を目指すプレミアグループの協力工場に、JATTOが持つ整備機器やエーミング作業のノウハウを、プレミアを通じて提供する。
プレミアグループの協力工場には現在、ガラス交換でエーミング作業の対象車両が1年間で推定約2400台入庫している。ガラス交換以外でも、今後ますます対象車両の入庫は増える見通しだ。同社は今後も協力工場を増やすとともに、電子制御装置整備に順応したネットワークの構築を目指す。